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3行でわかるアキレス腱断裂
  • 踵をけられたような衝撃とともに断裂するスポーツ外傷で、バドミントン・テニス・バスケ・サッカーに多く、中高年男性の発症が目立つ
  • 歩くことは可能だがつま先立ちができない・ふくらはぎを握っても足が動かないのが特徴で、超音波検査で診断できる
  • 保存療法(ギプス固定)と手術療法のいずれも1年後の成績はほぼ同等で、約6ヶ月で8割がスポーツ復帰できる
詳しくは下記をご覧ください

① 概要

アキレス腱断裂はよく遭遇するスポーツ外傷です。以前は手術を行うことが多かったですが、近年はギプスによる保存療法も選択されるようになっています。経過を追うと1年後にはどちらもほぼ同じ成績になるといわれています。

スポーツ中に踵をけられたような衝撃を受けて振り返ると誰もいない、というのが典型的なエピソードです。

② 発生頻度・起こりやすい競技

日本では年間約14,000人が受傷するといわれています。[1]人口から推計すると福井県では年間約83人、福井市では年間約29人となります。[2]中高年の男性に多く、40歳以上が約60%を占めています。[1]

バドミントン・テニスなどのラケット競技やバスケットボール・サッカーなどに多いといわれています。また、子どもの運動会に参加して急に走ったお父さんにも多い印象があります。

バドミントン テニス バスケットボール サッカー 運動会・レクリエーション

③ 原因・危険因子

アキレス腱が太くなってくると断裂のリスクが高まるといわれています。また、以下が危険因子として知られています。

  • 高脂血症(脂質異常症)
  • ある種の抗菌薬(フルオロキノロン系)
  • ステロイド薬(全身投与・局所注射)
  • 急激な運動量の増加

④ 症状・診断

走ろうとした瞬間に後ろからけられた・ボールがぶつかったが後ろを見ると何もなかった・「ブツッ」と音がした、などが典型的な受傷のエピソードです。

歩くことは可能ですが、つま先立ちが困難になります。

診断のポイント

  • アキレス腱がはっきりしなくなり、触れると陥凹(くぼみ)を感じる
  • Thompson test(トンプソンテスト):うつぶせになってふくらはぎを握ってもつま先が動かない

Thompson testで陽性であれば、身体所見からアキレス腱断裂でほぼ間違いないと判断できます。

⑤ 画像診断

  • 超音波検査:腱は X線に映らないため、超音波検査が診断に有用です。断裂部位・断裂端の状態をリアルタイムで評価できます。
  • MRI:断裂の程度や周囲組織の評価が必要な場合に行うことがあります。
  • X線(レントゲン):アキレス腱の付着部(踵骨)が骨折するケースがあり、その確認に必要です。場合によってはすぐに手術が必要な骨折パターンもあります。

⑥ 治療方針

治療方法は保存療法と手術療法の2つがあります。

保存療法(ギプス固定)

  • ギプスによる外固定の後、リハビリテーションを行います
  • 早期運動療法を行えば手術療法と同等の成績が得られます[3]
  • 手術に伴うリスク(感染・傷の問題)がない

手術療法

  • 直視下縫合術:皮膚を切開してアキレス腱を直接縫合する方法
  • 経皮的縫合術:小さな切開で縫合する方法
  • どちらも強固な固定を行い、術後10〜14日程度の外固定の後にリハビリを行います

アスリートの場合は、強固な固定と筋力低下の観点からも手術療法が望ましいと考えています。一般の方は保存療法でも十分な成績が期待できます。早期に仕事で足を使う場合は手術をお勧めします。相談の上で方針を決定しましょう。

⑦ スポーツ復帰

保存療法・手術療法ともに、約6ヶ月で約80%がスポーツに復帰するといわれています。[4]

1年後の成績は保存療法と手術療法でほぼ同等です。治療方法の選択は患者さんの年齢・活動レベル・職業・生活環境などを総合的に考慮して決定します。

⑧ 当院での対応

当院での対応

  • 超音波検査・MRIで断裂の状態を正確に評価
  • 踵骨剥離骨折の有無をX線で確認
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクターが診察し、保存療法・手術療法の方針を提案
  • 手術が必要な場合は福井総合病院にて院長が執刀
  • 手術後の回診・リハビリ・外来をシームレスに一貫対応
  • 予約不要・当日受診可

踵の痛み・つま先立ちができないでお困りの方へ

受傷後は早期の診断と適切な治療方針の選択が回復を左右します。
症状が出たらお早めにご相談ください。

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監修 院長 大橋義徳(整形外科専門医・医学博士・日本スポーツ協会公認スポーツドクター)

参考文献

  1. Yamaguchi S, Kimura S, Akagi R, Yoshimura K, Kawasaki Y, Shiko Y, Sasho T, Ohtori S. Increase in Achilles Tendon Rupture Surgery in Japan: Results From a Nationwide Health Care Database. Orthop J Sports Med. 2021;9(10):23259671211034128. doi: 10.1177/23259671211034128
  2. 福井県統計課. 福井県推計人口・世帯数. 福井県ホームページ. https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/toukei-jouhou/zinnkou/jinkou.html(福井県人口約74万人・福井市人口約26万人をもとに推計)
  3. 日本整形外科学会・日本整形外科スポーツ医学会監修,日本整形外科診療ガイドライン委員会/アキレス腱断裂診療ガイドライン策定委員会編:アキレス腱断裂診療ガイドライン2019.改訂2版 南江堂.
  4. Zellers JA, Carmont MR, Grävare Silbernagel K. Return to play post-Achilles tendon rupture: a systematic review and meta-analysis of rate and measures of return to play. Br J Sports Med. 2016;50(21):1325-1332. doi: 10.1136/bjsports-2016-096106 PubMed
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